インキュベーター(Incubator)は、本来の意味は孵卵器のことですが、ビジネスで使われる用語では、スタートアップ企業等、立ち上げたばかりの企業・事業を様々な形でサポートする(育成する)=インキュベーション業務を行う団体・組織・個人を意味します。
そのため、英語のWikipediaでは”Business incubator“(ビジネスインキュベーター)という説明ページのタイトルを使用して、孵卵器など生物学で使われるインキュベーターと区分けしています。以下は英語のWikipediaのビジネスインキュベーターの概要を日本語に訳してまとめたものです。
ビジネス・インキュベーターの業務内容
立ち上げたばかりの企業では、組織として事業を運営する上で人材、資金、経験、スキルなどで不足している部分が少なからずある事がほとんどです。ビジネスインキュベーターは、スタートアップ企業や個人起業家に対して、経営・組織運営の研修、オフィススペースの確保からベンチャーキャピタル資金調達までの幅広いサービスを提供することによって、事業開発を支援します。
National Business Incubation Association (NBIA) は、ビジネス インキュベーターを地域または国家の経済発展を促進するツールとして定義しています。 NBIA は、会員のインキュベーターを以下の5種類のインキュベータータイプに分類しています。
- 学術(教育)機関 (Academic institution)
- 非営利開発法人
- 営利目的の不動産開発事業ベンチャー
- ベンチャーキャピタル企業
- および上記の組み合わせ
ビジネス・インキュベーターの歴史
ビジネスインキュベーションの公式な概念は、1959年に米国でJoseph Mancusoがバタビア産業センター(Batavia Industrial CEnter)をニューヨーク州バタビアの倉庫で開業したのが始まりです。
インキュベーションは1980年代に米国で拡大し、さまざまな関連した形式(例:イノベーションセンター、起業家ペピニエール、テクノポール/サイエンスパークなど)を通じてイギリスを含むヨーロッパに広まりました。
米国に本拠を置く国際ビジネスイノベーション協会は、世界中に約7,000のインキュベーターがあると推定しています。
最初のハイテク・インキュベーターは、Atariを退職した後、Nolan Bushnellによって、シリコンバレーでCatalyst Technologiesによって始められました。