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AdSense サイト単位での審査導入とサイト運営者への影響シナリオ考察

AdSense サイト単位での審査導入とサイト運営者への影響シナリオ考察

2018年9月後半頃からAdSenseのサイト管理機能に関連したいくつかの仕様が変更になっています。AdSenseの管理機能、「所有権を確認したサイトだけに広告コードの使用を許可する」の設定を有効にした場合、以前は確認済みでないサイトでも広告は表示されていました(広告表示しても収益は発生しない仕様でした。)が、現在は確認済みでないサイトでは広告は表示されないようになりました。

さらに10月から、一部のユーザー(特に新しいユーザー)のAdSense アカウントでは、ホームページのメニュー項目の中に「サイト」と言う項目が含まれて表示されるようになりました。この「サイト」は、従来の仕様ではメニュー項目「設定」をクリックして表示されるサブメニュー項目「自分のサイト」に該当します。新しい仕様では、サイトを管理するページを表示するためのメニュー項目の階層が上に引き上げられて、ホームページから直接アクセスできるようになっています。

更新情報:10月29日にサイト単位の審査プロセスが正式に発表されました。
Google AdSense サイト単位の審査導入を正式発表

新しいサイト管理機能ではサイトを追加する際に審査が行われる?!

AdSense ヘルプにも、新しいサイト管理機能のサイトの追加方法のページが掲載されています。本ページにはサイトを追加する際に、サイトが広告を表示できる状態かどうかチェックするという説明があります。

新しいサイトが追加されると、広告を表示できる状態かどうか、Google 側でサイトのチェックを行います。たとえば、サイト運営者様ご自身のサイトであるかどうか、サイトが AdSense のプログラム ポリシーに準拠しているかどうかなどを確認させていただきます。この手続きは通常 1 日未満で完了しますが、それより長い時間がかかることもあります。チェックが完了し、サイトに広告を表示できる状態になりましたらお知らせいたします。

上記説明を読むと、これからサイト単位でAdSenseの審査を行うように変更になる可能性があることを示しています。これまでは、AdSenseの審査を通過した後は、サイトがAdSenseのポリシーに準拠していれば、サイト運営者が自由に運営するサイトにAdSenseの広告コードを設置して収益化を行うことができました。しかし、今後はサイト単位で審査が行われる可能性があります。

AdSenseの仕様や規約は予告なく変更になることがあります。これまでにも様々な変更が行われてきました。しかし、サイト単位で審査が行われるようになった場合には、かなり大きな変更であると言えます。サイト運営者に与える影響も少なくありません。

サイト管理の仕様変更シナリオ

現時点では、はっきりしないところもありますが、想定されるシナリオとサイト運営者に与える影響などについての考察を以下に書きます。

更新情報: その後入手した情報などから、シナリオ1となる可能性が高くなってきています。

シナリオ1: アカウントからサイト単位への審査へ完全移行

これまでは、最初にAdSenseを利用する際に、申請を行って、申請時のサイトが審査され承認された場合は、それ以降はAdSenseの審査は必要ありませんでした。しかし、新しい仕様では、サイトを追加する度に、これまで行われてきたAdSenseの審査と同様の審査が行われる可能性があります。この場合は、AdSenseの審査は、サイト単位へ完全に移行することになります。

サイト単位の審査に完全に移行した場合、これまでのAdSense審査と同等の厳しさで審査が行われる場合は、サイト運営者の間で混乱が起こることが予想されます。例えば、サイトを追加しても、簡単に承認されない場合、ヘルプフォーラムやAdSenseへの問い合わせなどが多発する可能性が高いです。

サイト単位の審査移行後の混乱を避けるため、AdSenseの審査をある程度緩くする可能性があります。同様にこれまでの審査と同等のレベルでサイト単位の審査に移行する可能性もあります。

シナリオ2: サイト追加時は簡易審査

2016年の夏からAdSenseの審査は以前と比べてかなり厳しくなりました。2017年以降は、多少、審査基準が緩和された印象を持っていますが、それでも審査が通過しづらい状況であることは変わりありません。シナリオ1の後半に書いた様に、現在の審査基準そのままでサイト単位の審査に移行した場合には、混乱が予想されます。

そのため、最初のAdSenseの審査についてはこれまで通り行い、サイト追加時は簡易審査を行う形式を導入する可能性もあります。簡易審査の場合は、明らかなポリシー違反などを除いて、合格率は高めになるなどのシナリオが考えられます。

各シナリオでのサイト運営者と市場への影響考察

シナリオ1では審査用サイトが消滅

これまでは、審査を通過後は、比較的自由にAdSenseの広告をサイトに設置できたため、審査用のサイトを作成し、AdSenseの申請をして承認された後、本サイトの方で収益化を行うアプローチがありました。アカウントからサイト単位へ審査が完全に移行した場合、審査基準が最初の申請とサイト追加時で大きく変わらない場合は、審査用サイトはほぼ消滅することが予想されます。

グレーエリアのサイトでのAdSense 利用が減少

これまでは、オリジナル度が低いまとめサイトや他からコピーしたコンテンツをリライトした記事を投稿するようなサイトでもAdSenseの広告が利用されていることは少なくありませんでした。サイト単位での審査が行われるようになった場合は、グレーエリアのサイトでのAdSense利用は減少することはほぼ確実です。減少の度合いは審査基準によります。

自動広告のデフォルト化とさらなる普及

新しいサイト管理の仕様では、サイトを追加する際に「サイトをAdSenseにリンク」する手続きがあります。この作業は、<head>と</head>の間に自動広告のコードを設置するものです。

審査通過後に自動広告を削除しない限り、これから追加されるサイトは全て自動広告のコードが設置されることになります。サイト単位の審査への移行によって、自動広告はさらに普及していくことは確実です。

中長期的にはAdSense 利用サイトの減少

サイトを追加する際の審査の基準に関しては、サイト単位の審査への移行当初は基準がある程度緩かったとしても、将来的には審査基準は厳しくなっていく(最初の申請時と同等になっていく)可能性が高いです。

これまでのサイト運営者の方で新しいサイトを作成して、自由にAdSense広告を設置していた状況に比べると、中長期的にはAdSenseを利用するサイトは減少していくことが予想されます。サイト追加時の審査基準が高くなればなるほど、AdSense 利用サイトは減少します。

利用サイトの質の向上とAdSense プレミアム化

サイト単位で審査を行うことは、AdSenseを掲載するサイトの品質の向上に繋がります。AdSenseを利用するサイトの品質の向上によって、デジタル広告市場におけるAdSenseとGoogle広告のプレミアム化がさらに進むことに繋がります。

AdSenseの収益性が現在よりもさらに向上すれば、AdSenseを運用するサイト運営者のモチベーションも高まります。サイト運営者は、サイトの品質の向上や魅力あるコンテンツの作成に力を入れるようになります。

考察まとめ

サイト追加時に行われる審査基準の度合いによっては、大きな混乱が発生する可能性もありますが、中長期的にはユーザーとサイト運営者双方にとって、プラス要素が多いと思います。AdSenseのサイトでの利用が厳しくなることで、オリジナル度の高い、魅力あるコンテンツを作成することに努める傾向が強まれば、ユーザーにとって魅力的なコンテンツが増える可能性が高まります。サイト運営者にとっては、収益性向上なども期待できます。

サイト単位の審査導入は、2018年10月1日にAdSense公式ブログが発表した将来に向けた取り組みの一環とも考えられます。考察で述べたようにサイト単位の審査は、自動広告の普及を促進することに繋がります。自動広告がさらに進化していくことによって更なる普及とAdSense収益性向上などの相乗効果も得られると予想しています。

サイト管理がAdSenseアカウントホームページのメニュー項目となったことは、サイト単位での管理機能の拡張の第一歩とも言えます。公式ブログの記事で言及されている収益性ベンチマークなどについても、サイト単位で評価できる可能性があります。発表内容と考察について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

AdSenseの今後についての考察とサイト運営の近未来について

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