
AMPページは、検索にインデックスされると、ページデータはGoogleのキャッシュに格納されます。検索結果に表示されるAMPページへのリンクをクリックすると、Googleのキャッシュ上に保管されていたページが瞬時に表示される仕組みになっています。
検索経由で表示されるAMPページは、通常のページと異なり、Googleのドメイン上のデータで表示されるのが大きな違いです。検索経由でAMPページを閲覧したユーザーが、ページ内にあるリンクをクリックすると、サイトのドメイン上にある通常ページやAMPページに移動します。このことは、ユーザーがGoogleのドメインからオリジナルページがあるサイトのドメインに移動することを意味します。
これまでは、Google Analyticsでのトラッキングは、ユーザーがGoogleのドメイン上のAMPページからサイトの通常ページ、または、AMPページに移動した場合、別ユーザー、別セッションとして取り扱われていました。
AMP Client ID API の特徴
2017年9月5日にGoogleが発表した AMP Client ID API は、Google キャッシュのドメイン上のAMPページとサイトのドメイン上のAMP ページと通常ページ間で、共通のクライアント ID を使用する機能です。クライアント IDを共有することで、Googleドメインからサイトのドメインを移動する同一ユーザーの識別が可能になります。
AMP クライアント ID API は クライアントIDに関連した従来のアナリティクスでのAMPトラッキングの問題 の解決(対応)策です。
AMP Client ID API の導入設定方法
今回発表されたAMP クライアント ID を導入するためには、いくつかの留意事項があります。
日本のGoogleドメインではまだ未対応
現時点でのクライアント ID APIのサポートは、google.com ビューワーのみです。google.co.jp などのカントリーコードのトップドメインは、近日対応予定となっています。
プライバシーポリシーの記載が必須
サイト運営者はプライバシーポリシーにGoogle AMP Client API をGoogle Analyticsで使用することを明記することが使用許諾の条件です。また、EU User Consent Policy に準拠することが求められます。
若干のコード追加が必要
AMP Client ID API をGoogle アナリティクスで利用するためには、若干のコード追加が必要となります。コードを変更しなければ、現状のままです。
AMPページでの作業
以下のコードをAMPページの<head>タグ内に追加します。
<meta name=”amp-google-client-id-api” content=”googleanalytics”>
通常ページでの作業
Google Tag Managerを使用している場合
- Tag ConfigurationからField to setを表示する
- useAMPClientID の値にtrueをセットする
- タグ設定を保存する
- タグを提出する
- コンテナをパブリッシュする
analytics.js (Google アナリティクス)の場合
アナリティクスのトラッキングコードに以下のコードを加えて下さい。
ga(‘create’, ‘UA-XXXXX-Y’, ‘auto’, {‘useAmpClientId’: true});
AMP クライアント ID API によるアナリティクスデータへの影響
当該機能を導入すると、AMPと通常ページ間を訪問するユーザーが同一であるかの識別が可能になり、アナリティクスのユーザー数やセッションに関連した指標がより正確になります。セッションあたりの滞在時間、直帰率、セッションあたりのページビュー数が向上した値になります。
AMP クライアント ID API 導入後、サイトのAMPページを最初に訪問した時、ユーザーIDはリセットされます。これは全てのユーザーに一度のみ発生することです。導入後、最初のAMP訪問時、ユーザーは新規として取り扱われます。新規ユーザーに関連した指標は、一時的に影響が発生します。
ユーザーの訪問シナリオにおけるクライアント ID の取り扱いについてはこちらを御覧下さい。
日本のカントリーコードのトップドメイン(google.co.jp)は現時点では未対応とのことですが、近日、サポートされる可能性もあります。予め準備・対応しておくのも一案だと思います。
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