
WordPressのサイトでAdSense等の広告をマニュアルで設置する方法は、テキスト・ウィジェットを使用するかプラグインを使用する方法が最も一般的です。特にサイドバーに広告を配置する場合は、ウィジェットを使用することが多いです。
最近のWordPressのサイトのほとんどは、レスポンシブのテーマを使用しています。レスポンシブ・デザインのテーマは、端末の画面サイズに合わせた表示を自動的に行う機能を備えています。レスポンシブデザインのテーマは、モバイル端末では、メインコンテンツの後にサイドバーをそのまま表示するものと表示しないものとあります。
Simplicityは、モバイル表示ではサイドバーは表示しない仕様になっています。さらに、Simplicityではパソコン画面でのみ表示するパソコン用テキストウィジェットも用意されています。
Simplicityは、nn細部まで配慮されたところがあるので、例外に近いと言えます。通常のレスポンシブデザインのテーマでは、モバイルとデスクトップ(パソコン)で、ウィジェットの表示・非表示を切り替えるような設定を行う方が、必要のないウィジェットが表示されないことによって、ユーザーエクスペリエンスやエンゲージメントの向上に繋がる可能性があります。
目次 - Table of Contents
サイドバーのウィジェットをモバイルで非表示にした方が良い理由
サイドバーに広告を配置している場合、モバイルの画像では非表示にした方が良いと思われることもあります。レスポンシブでのモバイル画面では、サイドバーはメインコンテンツの下に表示されるため、広告がクリックされる確率は低いです。
また、サイドバーのウィジェットでは広告だけではなく、モバイルで表示する必要性、重要度が低いものがあります。例えば、Twitterのタイムラインウィジェットなどです。
収益性の低い広告やその他のウィジェットを非表示にすることは、ユーザーエクスペリエンスの向上に繋がる可能性があります。広告を減らすことで、表示速度を早めるなどの効果もあります。
サイドバーに縦長の300×600サイズの広告を設置している場合、誤クリック防止、ユーザーエクスペリエンスの向上の為、モバイル画面では、非表示に設定することを強くお勧め致します。
モバイル画面でのサイドバーが表示される仕様となっているテーマの場合、プラグインを利用してサイドバーのウィジェットを非表示にすることができます。
Widget Logicの使い方
Widget Logicは、WordPressのコンディショナルタグ(条件分岐タグ)を使用して、ページでウィジェットを表示・非表示の切り換えを行うことができるプラグインです。特定のページや投稿記事IDを指定して、ウィジェットを表示したり、非表示にすることができます。
ウィジェット・ロジックの設定方法
Widget Logicをインストールし、有効にします。Widget Logicを有効にすると、WordPress ウィジェット編集画面の各ウィジェットに、”ウィジェットのロジック”とラベルされた欄が追加されて表示されるようになります。
以下は、テキストウィジェットの表示例です。赤枠で囲んだ部分がウィジェットロジックの入力欄です。
ウィジェットの表示非表示の設定
WordPressには、条件タグ(Conditional Tags)と呼ばれるページの種別を示す機能があります。ウィジェットの表示非表示は、この機能を利用し、ウィジェットのロジック欄にWordPress条件タグを入力することで行います。
モバイル端末での非表示設定
モバイル端末の条件タグは、”wp_is_mobile( )”です。このタグをWidget Logicの入力欄に入力すると、モバイル端末でのみウィジェットが表示されます。非表示にするためには、条件タグでNOTを意味する”!”を加えます。”!wp_is_mobile( )”は、モバイル端末でない条件指定です。
以下の様にウィジェットのロジックの入力欄に”!wp_is_mobile( )”を入力し、[保存]ボタンを押すと、ウィジェットはモバイル端末では表示されなくなります。
WordPressのモバイル端末の条件には、スマホだけでなくタブレットも含まれます。この設定を行うと、iPadなどでも非表示になります。
上記のタグを入力するだけで、表示、非表示の設定ができます。
404 エラーページでAdSense 広告を非表示
404 エラーページでAdSense 広告が表示されるとポリシー違反となります。ウィジェットで広告コードを設置している場合は、Widget Logicを使用すると簡単に404 ページで非表示の設定をすることができます。
固定ページで広告を非表示
モバイル以外でも、サイドバーやその他のウィジェットを非表示にしたいページがあります。例えば、About (自己紹介、プロフィール)、コンタクト(問い合わせ)ページなどです。Widget Logicを使用して特定ページの広告を非表示にする具体例と設定方法を別記事で投稿しています。
主なWordPress 条件分岐タグの例
以下、条件タグで使用する代表的なものを紹介します。詳しくは、WordPress 条件分岐タグ をご参照下さい。
メインページ・ホームページ
is_home( )
例えば、最新の投稿をサイドバーに表示している場合、ホーム・トップページではサイドバーで表示すると重複してしまうことがあります。その場合、”! is_home( )”を条件に入力すると、ホームページでは、指定されたウィジェットは表示されません。
投稿(記事ページ)
is_single( )
ホームページを非表示にする例を上で紹介しましたが、代わりに投稿記事ページのみウィジェットを表示する様に設定することもできます。その場合は、条件設定欄に”is_single( )”を入力します。
is_single( )で表示を設定した場合は、固定ページやアーカイブページではウィジェットは表示されません。
特定の記事ページで非表示
記事・投稿ID(Post ID)を指定すると特定のページの設定を行うことができます。特定の記事ページで広告を非表示する場合は、”! is_single( ‘記事ID’ )”と入力します。
例:記事IDが17で非表示
!is_single( ’17’ )
複数の記事IDを指定する場合:
is_single( array( 17, 19, 21 ) )
具体的な例と使用方法は、ウィジェットロジックで特定ページの広告を非表示にする方法を御覧下さい。
投稿IDの入手方法
投稿IDは、その記事の編集画面を表示している時のURLに記載されている番号です。以下の例では、123が投稿IDです。
固定ページ
is_page( )
特定のページでウィジェットを非表示にする場合は、投稿記事と同様に投稿IDを指定します。
例: 固定ページID 123で非表示
!is_page( ‘123’ )
カテゴリーページ
カテゴリーやタグページも、投稿や固定ページと同様に設定可能です。
is_category( )
タグページ
is_tag( )
404ページ
is_404( )
404ページでは通常のサイドバーウィジェットは全て非表示にし、404ページ専用に人気記事7記事をウィジェットで表示するSimplicityでのカスタム 404 ページの作成例を記事にしています。
条件分岐タグの組み合わせ
AND (&&)やOR (||)を使用して、条件を組み合わせることができます。
例: ホームページと(または)投稿ページで表示する
is_home( ) || is_single( )
例2: アーカイブページで(なおかつ)、wordpress以外のカテゴリーを表示する
is_archive( ) && !is_category( ‘wordpress’ )
SimplicityのWidget Logic使用上の注意点
Simplicityのサイトでは、Simplicityと相性が良くないプラグインの中にWidget Logicが含まれています。私見になりますが、SimplicityとWidget Logicは、相性が良くないとは思いません。Simplicityの機能と重複する部分があるため、設定が重複したり、相反するような設定をしなければ問題ありません。
Simplicityは、ウィジェットの表示制御をテーマ側で行っているところがあるため、テーマで制御を行う設定がされている(特に専用)ウィジェットにWidget Logicで設定を行うと衝突が発生する可能性があります。しかし、Simplicityが表示制御を行っていないウィジェットであれば、全く問題ありません。表示の制御は基本的に同じWordPressの条件分岐タグを使っているため、設定の重複さえなければ、Simplicityでも全く問題なく使用できます。本サイトでもWidget Logicを使用しています。
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