
ads.txtは、著名なメディアサイトになりすまして不正に広告収入を得る手法を防止する事などを目的に作成されたIABが提唱する規格です。ads.txtは、2017年の6月にバージョン1.0がリリースされた比較的新しい取り組みです。2017年9月にGoogleのDoubleClickが不正広告収益防止の取り組みを強化することを発表し、ads.txtを推進する動きが加速し始めました。
9月27日、Financial Timesはドメインスプーフィングによって推定毎月約130万ドル相当の損害を被っていたことを明らかにしました。この発表の前後からads.txtを採用する大手メディアを中心とした動きが活発化しました。
以下はGoogleのドキュメントによる2017年7月から9月までのads.txtを設置しているドメイン数の推移です。
9月に入ってから、ads.txtを設置するドメイン数が急速に増えています。しかし、絶対数としては5000を超えたところで、世界中のサイトの中で見た場合の普及率としては、まだ極めて少数です。
10月12日の時点でのGoogle ads.txt クローラが検知したads.txtを設置しているドメインの数は11000に達しました。しかし、comScore 1000 パブリッシャーの内252しかads.txt ファイルを設置していないことが判明しました。
上記グラフは、2017年10月に投稿されたDouble Clickの記事からの引用です。
Googleは、2017年10月、シカゴで開催されたGoogle Partner Leadership Summit 2017でads.txtに関連して、以下の3つの取り組みを発表しました。
- AdSense は、ads.txtファイルにエラーが見つかった場合、ads.txtに関する警告を表示することを開始した。
- 10月末までに、DoubleClick for Publishersは、サイト運営者がads.txtを作成したり、修正できるads.txt ジェネレーターとバリデーター(生成と認証)を提供する。
- 2017年末までに、DoubleClick AdExchange と AdSense は、ads.txtで未承認の広告在庫(広告インベントリー)をフィルターする。
10月12日頃から、日本の一部のAdSenseユーザーの管理画面にads.txt内に関する警告が表示される事例が多発しました。これは、上に紹介した10月に発表されたads.txtに関連する取り組みの一番目の項目に合致しています。
現時点でのGoogleのads.txtに関する取り組みは、DoubleClickを中心として行われています。AdSenseもDoubleClickと歩調を合わせながら、取り組んでいくと思われます。
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