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Instagramの新しいテキストベース・アプリのクリエイター向けスライドの説明

Instagramの新しいテキストベース・アプリのクリエイター向けスライドの説明

 Metaは2023年1月にプロジェクト 92と呼ばれるTwitterに対抗する新しいテキスト中心のソーシャルネットワーク・アプリの開発を開始しました。市場投入は2023年夏を予定している事などが、社内向けの資料から明らかになっています。

また6月8日に行われたMetaの全社員向けの会合で、Chief Product OfficerのChris Coxは「我々は、クリエイターや著名人から、『正常に運営され、信頼して配信を任せることができるプラットフォームが欲しい』という声を耳にしています。」と述べて、Metaのアプリの目標は「安全、利用が容易、信頼」であり、クリエイターが視聴者を集め拡大させるための安定した場所を確保できるようにする事であると語った」とThe Vergeが報道しています。

2023年の春頃からMetaが一部の著名なクリエイター達に開発中のテキストベースのアプリ(プロジェクト 92)の概要を紹介して、要望や意見などを受け取っているという話も一部のメディアでスクープされていました。メディアなどで報道していた情報とChriis CoxのMeta全社員向けミーティングでのスピーチの内容は合致しています。

Metaが開発中のTwitterに対抗する新SNS「プロジェクト92」とは? – ブロギングライフ
Metaがプロジェクト92にと呼ばれるTwitterの様なテキスト中心のソーシャルネットワークのプラットフォームを開発中で近い将来市場に投入される計画である事がテクノロジーメディアで、2023年の3月から5月にかけてスクープ記事が投稿されていました。 6月8日に開催されたMetaの全社員を対象にした打ち合わせで、Meta チーフプロダクトオフィサーのChris Coxがプロジェクト92について説明した事も明らかになり、市場投入は7月中旬と見込まれています。公式な名称は内部の資料からThreads(スレッド)になりそうとの情報もリークされています。 プロジェクト 92の概要 Metaは一部の著名なクリエイターにプロジェクト 92の概要などを説明し、積極的な参加を促している事を明らかにしており、クリエイター経由の情報ソースなどを元にした特集・スクープ記事などが著名なテクノロジー系のメディアで報道されています。 社内のコードネーム 社内のコードネームは、P92, Project 92、Barcelona(バルセロナ)などで交互に呼ばれていると3月にPlatformerがレポートを公開しており、社内のスライドではプロジェクト92と記載されています。 公式名称はThreadsでほぼ確定 2023年7月1日更新 米国時間2023年7月1日の朝にGoogle Playに誤って、Instagram Threadsが一時的に公開されるハプニングが発生しました。Google Playに一時公開された名称もInstagram Threadsでした。そのため、公式名称は、Threadsである事がほぼ確定しました。 2023年7月2日更新情報: 本件発生の翌日、Metaのプロジェクト 92とは異なるThreadsと言う名のアプリがGoogle Play に掲載されている事が判明しました。プロジェクト 92の名称はThreads以外になるかもしれません。 市場投入は2023年夏、7月中旬頃 アプリの開発は2023年1月頃に開始され、夏に市場投入する事を計画しているとBloomberなどがスクープ記事を投稿しています。 アカウントはInstagramと共有 分散型SNSのプロトコル ActivityPubに準拠 分散型SNSのプロトコル ActivityPubに準拠しているため、当プロトコルを使用しているMastodonやPixelfedなどの分散型のソーシャルネットワークのアカウントと相互検索したり、フォローや交流する事ができます。 Mastodon CEO Eugen Rochkoさんは、Metaと打ち合わせをするために、Metaが開発中のプロジェクト 92の情報をNDAを結んだ事を明らかにしています。 Mastodonを運営するサーバーの管理者には、Metaを嫌う人も多く、MetaがActivityPubに準拠したプラットフォームを導入しても、繋がりを遮断する(ブロックする)方針を表明しているインスタンス(サーバー)もあります。 最新の噂では、Metaのテキストメインのソーシャルアプリ導入時は、ActivityPub準拠は保留にし、後で追加する事を計画しているとの説もあります。 アプリの機能概要 クリエイターとアカウントの保護、安全を守る機能も提供 ポストTwitterはInstagram プロジェクト 92になる!? 独立したテキスト中心のSNS機能でアカウントはInstagramと共有 Instagramは写真とショートフォーム動画を中心にしたソーシャルメディアです。Instagramは、テキストをメインに使うのには全く適していない、リンクは機能しないのが良くも悪くも持ち味、写真と動画中心、リンクを氾濫させない機能であるところがTwitterとの明確な差別化でした。 Twitterと同様にテキスト中心のソーシャルネットワーク機能を備えるプロジェクト 92は、Instagramのアカウントでログインでき、既存の写真と動画中心のInstagramと機能は独立して使う事ができます。プロジェクト 92は、既存のInstagram ユーザーは直ぐに利用可能する事ができるのが大きな特徴です。 有名アーティストやクリエイターの参加の可能性大 Instagramには有名人や企業、ブランド、組織などの公式アカウントも既に沢山あります。それらの著名アカウントも、テキスト中心のTwitterの様なソーシャルネットワーク機能がInstagramで利用できるのであれば、情報を配信する側にしても、既存のInstagramアカウントからTwitterと同じような情報を配信できる様になるのは利便性も高いです。 欧米の芸能人(アーティスト)・クリエイターはリベラルな志向を持つ人が圧倒的に多いので、超保守派や差別的・攻撃的な発言を過去に行って無効化されたアカウントを悉く復活させているような今のTwitterには関わりたくないと思っている人はかなりいると思います。 例:2022年12月9日に投稿されたElton Johnの公式アカウントのメッセージ エルトンジョンのツイートの訳: Instagram自体、現時点でも多くの芸能人がアカウントを持っているので、それらの人達が、現在のTwitterで投稿している様なことをInstagram スレッドの方で始める可能性は高いです。それら有名人のファンもフォローすると思います。既存のInstagramのフォローリストをそのまま使えるため、利用者は、これまでInstagramでフォローしていた芸能人・有名人のテキスト中心の投稿をTwitterと同じようなタイムラインで見れる様になります。 6月8日のMeta社内ミーティングで、Chris Coxは「我々は、クリエイターや著名人から、『正常に運営され、信頼して配信を任せることができるプラットフォームが欲しい』という声を耳にしています。」と述べて、Metaのアプリの目標は「安全、利用が容易、信頼」であり、クリエイターが視聴者を集め拡大させるための安定した場所を確保できるようにする事であると言っていました。 Cox氏は、Meta社は既にアプリを利用する事を確約している著名人が既にいる事、Oprahとダライラマを含む有名人達と話し合いを行ったと述べています。 (Cox氏のMeta社内ミーティンでの発言に関しては、主にThe Vergeの記事を参考にしています。) アーティストの場合は、写真や動画も作品との関わりが多かったり、日常的な写真などを取り扱う内容はInstagramとの相性が良いので、テキスト版のSNSが加わることで付加価値を提供し、相乗効果も得られると思います。 既存のInstagram ユーザーを取り込める優位性 ポストTwitterでは、Blueskyやその他の新しいソーシャルネットワークも注目されていますが、新しいプラットフォームの場合、ユーザーの獲得も1から始めなければならないのに対して、プロジェクト 92の場合はInstagramのユーザーをそのまま取り込めるのが極めて大きな優位点です。 Instagramの全世界の月間のアクティブユーザー数は、2023年で13.5億あるとの市場調査会社のレポートにあります。 Number of Instagram users worldwide from 2020 to 2025 – statista 世界でTwitterのユーザーが最も多い国は日本ですが、Instagramのユーザーも日本は世界有数の利用者がいると思います。Twitterと真っ向から競合できるのは、Instagramだと思います。 Metaのインフラを活用できる Metaは、FacebookとInstagramを中心にして世界中のユーザーに情報配信を行っており、サーバー・データセンターなどの情報配信を行う環境も既に整っています。Metaの持つシステム基盤を活用できる事も、新しいSNSプラットフォームに対する大きな優位性の一つです。 モデレーションと安全性・信頼性の確保は課題 ここ数年、人種差別、性転換者、同性愛者、中絶、避妊薬、パンデミック、政治などについての考え方の違いの衝突、亀裂がアメリカ社会では顕著になってきています。実際の社会でもそうなのですが、ソーシャルネットワーク上での発言などについても、「発言の自由」をどこまで認めるかと言うのは難しい問題があり、解釈も大きく分かれがちです。 Twitterでは昨年第四四半期以降の方針変更により、過去に暴力的、差別的、攻撃的などの問題ある発言を繰り返し行っていたために無効になったアカウントのほとんどを復活させました。 Facebookは、2016年の大統領選の際に誤情報による操作が行われた事が問題となりました。Metaの方針としては、アルゴリズムを中心にしたモデレーションを行う方針を掲げています。しかし、機械では判断が難しい問題も多く、重要な判断を含めてトラスト&セーフティ(信頼と安全)の専任者・専門家を集めたチームによるモデレーションとアカウントの管理は信頼性と安全性を確保する鍵です。 Metaは2022年終わりから2023年前半にかけて約2万1千人の社員を解雇する大規模な人員削減と組織の再編成・縮小を行っています。このレイオフ・リストラクチャリングにおいて、オンラインの誤情報とヘイトスピーチを取り締まる事実確認(fact-checking)ツールの開発プロジェクトも廃止となりました。MetaがTwitterと似たテキスト中心のソーシャルネットワークを開始して、多くのユーザーが参加した場合、Twitterと同様に暴力的、差別的、攻撃的などの問題ある発言を行うユーザーも多数参加してくる事が予想されます。プロジェクト 92の市場投入は7月中頃との事で、もう1ヶ月経たないうちに発表されるかもしれません。発表されたら、大きな話題になると思います。 関連記事:Tech layoffs ravage the teams that fight online misinformation and hate speech – CNBC MetaがTwitterと似たテキスト中心のソーシャルネットワークを開始して、多くのユーザーが参加した場合、Twitterと同様に暴力的、差別的、攻撃的などの問題ある発言を行うユーザーも多数参加してくる事が予想されます。 モデレーションと問題発言などをするアカウントの取り扱いの仕方によっては、Twitterと大差ない状況になる可能性もあります。 Metaのモデレーションと安全性・信頼性の確保をどの様に行うかによっても、著名人を含めたユーザーからの評価、評判によってネット上での位置付けなども変わってくる事が予想されます。 市場投入は間近!? プロジェクト 92の市場投入は7月中頃との事で、もう1ヶ月経たないうちに発表されるかもしれません。発表されたら、大きな話題になると思います。 2023年7月3日更新情報: Apple アプリストアにInstagram Threadsが掲載されました。7月6日からダウンロードして利用開始となる見込みです。名称、仕様など事前の情報の通りの内容で公開されました。
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クリエイター向けにMetaが作成したInstagramの新しいテキストベースアプリのスライドの内容

上に添付している画像、クリエイター向けにMetaが作成したInstagramの新しいテキストベースアプリのスライドの内容を訳して紹介します。

タイトル:Instagram の新しいテキストベースの会話アプリでもっと発言しましょう

視聴者や仲間と直接会話する

テキストを作成し、リンク、写真、ビデオを添付します。 「いいね!」や返信をして、友人、ファン、他のクリエイターとの繋がりを深めましょう。

ファンを一緒に連れて行こう

視聴者達を素早く構築します。一つのタップで、誰でもInstagramでフォローしているアカウントをフォローできます。

雑音を消します

我々は安全性に真剣に取り組んでおります。誰があなたに返信したり、あなたのアカウントにメンション(言及・引用)したりできるかを制御するの設定を提供しています。ブロックしたアカウントは Instagram から引き継ぐ事ができます。誰もが安全かつ本物にやり取りできるように、同じコミュニティー・ガイドラインを適用しています。

新しい視聴者にリーチする

間もなく、私たちのアプリは Mastodon などの他の特定のアプリと互換性を持つようになる予定です。

あなたのアカウントが公開されている場合、または非公開・プライベートに設定していてフォローワーとして承認している場合、これらの他のアプリのユーザーは、あなたのプロフィールやコンテンツを検索、フォローし、会話・やり取りすることができます。これにより、追加作業なしで新しい視聴者にリーチできるようになります。さらに、クリエイターはまだフォローしていない人にお勧めとして紹介される場合があります。

スライドの内容についての考察

新しいアプリがテキスト中心で、リンク、写真、ビデオを添付する事ができる。「いいね!」などのエンゲージメント機能も備える事から、Twitterと似た機能である事が分かります。

「一つのタップで、誰でもInstagramでフォローしているアカウントをフォローできます。」との記載から、Instagramの新アプリは既存のInstagramとは独立して機能する。しかし、既存のInstagram アカウントのフォローを新しいアプリの方でも1タップで利用できるとの事から、既存のInstagramフォロワーを新アプリのフォロワーとして獲得する事も容易にできる様になっているようです。

安全性に関しては、Instagramのコミュニティー・ガイドラインを適用し、ブロック機能、返信やメンションについての設定も提供するところは、基本的にTwitterと同等の機能と思われます。

クリエイター向けのスライドでは、ActivityPubをサポートと記載するのではなく、Mastdonなどのアプリと互換性を持つ予定と表現しているところも興味深いです。Mastodonと互換性を持つのは、ActivityPubに準拠している事を意味します。

Mastodon CEO Eugen Rochkoさんは、Metaと打ち合わせをするために、Metaが開発中のプロジェクト 92の情報をNDAを結んだ事を明らかにしています。

Mastodonを運営するサーバーの管理者には、Metaを嫌う人も多く、MetaがActivityPubに準拠したプラットフォームを導入しても、繋がりを遮断する(ブロックする)方針を表明しているインスタンス(サーバー)もあります。

最新の噂では、Metaのテキストメインのソーシャルアプリ市場投入時は、ActivityPub準拠は保留にし、後で追加する事を計画しているとの説もあります。

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