
AdSense 関連コンテンツは、サイト内の関連性の高い記事をまとめて表示するエンゲージメントツールです。オプションで、広告も含めて表示する機能もあります。関連コンテンツを利用できるのは、サイトが利用資格の基準を満たしている必要があります。詳しくは、AdSense ヘルプの関連コンテンツ機能について をご参照下さい。
関連コンテツの大きな特徴は、ユーザーエンゲージメントを高めることです。関連性の高いコンテンツがユニットに表示され、興味を持ったユーザーがおすすめ記事をクリックして、読むことでページビュー数やサイトの滞在時間が増えます。
私のメインサイトでは、関連コンテンツの推薦記事のクリック率(ユーザーエンゲージメント)が高く、機能とパフォーマンスに大変満足していました。
ところが、ある時、突然、関連コンテンツに推奨記事が表示されない問題が発生しました。本記事では、その問題の現象などについて紹介します。
目次 - Table of Contents
関連コンテンツで推奨記事が表示されない
Googleは、関連コンテンツを記事のすぐ下またはサイドバーに配置する ことを推奨しています。私のサイトでは、記事のすぐ下に設置しています。パソコン画面の記事下に関連コンテンツユニットをレスポンシブで設定、配置した場合、通常、以下の画像のように8つの広告または推奨記事が表示されます。
ところが、2017年5月後半から、突然、関連コンテンツで推奨記事が全く表示されなかったり、少ししか表示されない現象が発生しました。極端な場合は、以下のように広告が一コマ表示され、残り7コマは空欄の状態となります。
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サイトの変更が原因?
私の運営するメインのサイトは、Bloggerを使用しています。5月の中頃にテンプレートをアップデートしました。Bloggerの場合、WordPressのテーマとは異なり、テンプレートのアップデートは滅多に行いません。使用しているテンプレートは同じものなのですが、今回のバージョンアップで内部的な機能などが大幅に変更になりました。メニューバーの表示に関しては、全く互換性がないため、メニューを再作成(コード構成も全く異なります)しました。メニュー再作成の際に、メニューの項目を全面的に見直し、カテゴリー(Bloggerの場合はラベルと呼びます)構成を変更する作業を行いました。
テンプレートのアップデートとそれに伴う変更作業等が直接関連しているかは定かではないのですが、テンプレートをアップデート後、一時、アクセス数が2−3割減少し、AdSenseの収益はそれ以上に減少しました。私の運営するサイトへの流入の8割以上は検索です。以前、ドメインを独自ドメインに変更した後、アクセスが3割以上、激減したことがあります。(戻るまでに数ヶ月かかりました。)メニュー項目の大幅な見直しが検索ランキングなどに影響するのかは不明ですが、タイミング的には一致するのでその可能性はあると思っています。
6月に入ってから(テンプレートアップデート後、2週間少し経過)、アクセスは回復傾向になりました。しかし、5月の中頃からAdSenseの関連コンテンツの推薦記事へのクリックが激減しました。以前は広告と推奨記事のクリックのCTRは、少なくとも11%前後あったのですが、3%程度と大幅に減少しました。
Chromeのシークレットモードなどでサイトを表示しても、関連コンテンツの推奨記事がほとんど表示されない現象が発生しました。
関連コンテンツの推奨記事が表示されない、または表示される数が非常に少ないのであれば、クリック数やCTRが劇的に減少することも至極当然のことです。
推奨記事が数記事程度しか表示されないことは、テンプレートアップデートやメニューとそれに伴うカテゴリー分け(Bloggerの場合ラベル)の大幅な見直しが関係しているのかもしれないと考えていました。
サイトの変更、特にカテゴリーの大幅な変更は、関連コンテンツで関連するおすすめ記事を表示するためのデータベースへの影響などがあると推測しました。しばらく様子を見ていたのですが、一ヶ月以上経過しても、状況は改善しませんでした。
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AdSense サポートに問い合わせ
問題が発生してから、約1ヶ月が経過しました。AdSenseのパフォーマンスレポートを見てみたところ、関連コンテンツのクリック数が以前と比べて、5分の一以下程度になってしまっていることに気づきました。それまで、大幅に減少していることは分かっていたのですが、細かく、(レポートを見ても問題は解決しないため)パフォーマンスレポートを見て分析はしていませんでした。
パフォーマンスレポートの結果から、私の環境だけでなく、ほとんどのユーザーの端末において、同様におすすめ記事が表示されていないことが明らかになりました。
関連コンテンツのスクリーン・ショットとパフォーマンスレポートのデータを添付して、AdSense サポートに問い合わせを行いました。
これまで何度かAdSenseのサポートを利用したことがあるのですが、毎回、本当に素晴らしいサポートをしてもらっていました。実は私がAdSenseに興味を持った理由は、サポートの素晴らしさに感動したためです。
ある時、あまり期待せずにAdSenseのサポートに連絡したところ、想像を遥かに超える返事をもらい、それから複数のやり取りがありました。素晴らしいサポートをしてもらったことがきっかけで、Googleの他のプロダクトに対する興味を持つ様になりました。
特にAdSenseに対する興味は、飛躍的に高まりました。それまで存在すら知らなかったAdSense ヘルプフォーラム のことも知り、参加することにしたのも、AdSenseのサポートの素晴らしさに感動したことがきっかけです。
関連コンテンツの問題は、難しい内容で分からない可能性もあるため、期待を下回る返事になるかもしれないと思いつつ、期待も持ちながら返事を待ちました。それまでは当日に最初の返事が来ていたのですが、翌日になっても返事は来ません。やはり簡単な問題ではないのだろう、色々調べているに違いないと思い、返事を待ちました、
しかし、1週間、2週間経っても、返事は来ません。一体、どうしてしまったのだろう?何かサポート側に問題が発生した、または、質問が何らかの理由で消失してしまったのだろうかと思っていました。(Googleの場合、まず考えられません。)
返事が来ないことも気になることでしたが、関連コンテンツの表示の問題が依然として続いていることが大きな問題、懸念としてありました。問題発生から2ヶ月以上が経過して、やっと少し記事が表示されるようになりました。しかし、8コマ全て表示されるわけではありませんでした。
やっと少し改善しつつあるのかもしれないと思って、状況を見守っていました。ところが、再び、状況が悪化し、推奨記事の表示が激減しました。おすすめ記事は、1つか0のどちらかになりました。本記事で、最初に添付している画像は、その時のスクリーン・ショットです。
状況が悪化したため、改めて最新の状況の説明を含めて、AdSense サポートに問い合わせを行いました。今回はAdSenseのサポートから、一時間以内に返信が来ました。しかし、肝心の返信の内容は、「今回お問い合わせの内容はポリシー以外の質問のため、返答致しかねます。」ということでした。どうやら、サポートの体制・取り扱いが変更になったようです。ポリシーに関連しなければ、サポートへのメールは返答をもらえないようになったようです。(アメリカでの場合です。)
2017年7月頃からAdSense サポート体制が大幅に変更された様です / ブロギングライフ BB
ダメ元で、広告が表示されない場合のトラブルシューティングから表示された問い合わせフォームを利用して問い合わせてみました。同様に、ポリシーに関連しない問題のため返答はできないとの返事が来ました。
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問題発生から2ヶ月半経過しやっと全てのコマが表示
関連コンテンツの推奨記事がほとんど表示されない現象は、約2ヶ月半経過した7月の終わり頃から、やっと全てのコマ(パソコン画面では8つ)が埋まる様に表示されるようになりました。パフォーマンスレポートの推奨記事の表示数も、現象が発生していたに二日前に比べて倍となり、全て表示されるようになったことを示している状態になりました。
7月の最後の週から状況が少し改善され、推奨記事が表示される数が増えてきて、ほぼ完全に表示されるようになったようです。不具合現象発生から2ヶ月半かかって、元に戻りました。
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表示はされるが関連度はまだ低い推奨記事
全てのコマが表示されるようになったものの、表示される記事は同じものが多く、さらに関連度の低いページや検索ページなどが表示されていました。徐々に関連性の高いコンテンツも表示されるようになってきています。
9月初めの現在、問題発生前の状態と比べて6-7割程度の推奨記事のクリック率まで戻りました。
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関連記事が表示されなくなった原因についての考察
5月に行った変更は、カテゴリー(Bloggerではラベル)分けなどを大幅に変更しました。また、テンプレートのメニューの表示機能が内部的に大きく変更になったので、以前のメニュー項目とは全く別物になりました。この様な変更は、通常、サイトであまり発生するような変更ではないように思います。
関連コンテンツで、カテゴリー分けがどの程度、アルゴリズムで考慮されるのか不明ですが、カテゴリーは基本的に同じ分野=関連性が高いと言うのは基本的な概念なので、影響が大きいように思います。
関連コンテンツが使用できるサイトは、ある程度の記事数があるのが通例です。記事数が多いことは、ある程度運営期間があり、安定しているサイトであることを基本的に示唆します。カテゴリーを大幅に変更することなどについてアルゴリズムがあまり考慮されていない可能性もあるかと思っています。
OGPの設定は、単体の記事は変わらないと思いますが、今回のBloggerのメニュー変更で、ラベル(カテゴリー)別の表示を中心にするように変更しました。Bloggerのラベル(カテゴリー)の表示は、WordPressとは異なり、ラベルを検索して表示させます。
Bloggerでは、WordPressのカテゴリーやタグでの専用のOGPの設定はできません。以前は、原始的なやり方でカテゴリーページをマニュアルで作って、そのページに(カテゴリーの)関連した記事のリンクを羅列していました。
関連コンテンツはOGPなどのスニペットを推奨に使用しているとヘルプにも書いてあるので、原始的なやり方でしたが、マニュアルで作成したカテゴリーページであれば、OGPやスニペットの出力はできます。
カテゴリーページからラベル検索での表示に変更したことなども、関連コンテンツの記事表示アルゴリズムに大きな影響を与えてしまっている可能性もあると考えています。
Google 検索エンジンでサイトの品質評価を行うパンダ アルゴリズムに関連した話題として、Googleのスポークスパーソンは品質が低いと思う記事を削除するのではなく、改善することを推奨しています。どうしても削除したい場合は、先にnoindexタグでインデックスさせないようにすることを勧めています。
検索エンジンのアルゴリズムは本当に複雑で、さらに様々機能毎にアルゴリズムが存在します。単純に結びつけて考えることはできませんが、関連コンテンツの場合、サイト上のカテゴリー分類が1つの大きな情報として扱っているのかもしれません。カテゴリー分類を変更によって、削除してしまうなどが行われると、関連コンテンツの表示に大きな支障をきたすことになるのかもしれません。
ここで紹介した事例は、かなり特殊なケースだと思います。AdSense ヘルプフォーラムで過去に問い合わせ頂いた事例としては、WordPressのサイトで記事を大幅に削減した後、推奨記事が表示されなくなったと言う現象報告を頂いたことがあります。そのサイトの場合は、1週間程度後に、通常通りに表示されるように戻ったそうです。
関連コンテンツを掲載しているサイトの場合、サイトの大幅な変更、特にカテゴリー分類の根本的な見直し変更にはご注意されることをお勧め致します。(カテゴリーの分類見直しはやった方が良い場合もあります。ただ、関連コンテンツの推奨記事表示への影響があるかもしれないということを予め考慮しておけばより良いと思います。)
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