
Google AdSenseの公式YouTube アカウントが、推奨するモバイル広告でのベスト・プラクティスについてのビデオを投稿しました。3分弱の短い動画ですが、内容は極めて重要です。これまでGoogleが推奨してきたベストプラクティスとは大きく異なる新しい手法を提唱しています。最初に観た時、既成概念を覆されるような軽いカルチャーショックを受けました。(感じ方の問題なので、これまでと変わらないと思われる方もいらっしゃると思います。)
目次 - Table of Contents
AdSense 最適化:モバイル広告でのベストプラクティス
「モバイルWebは、今日も継続して伸び続けています。2016年には人の数より多い80億を超えるモバイルコネクションがあり、モバイルのスマートフォンはデスクトップパソコンよりも多くなっています。そのためモバイルウェッブの広告インベントリを最適化することは重要です。本日、私はモバイルウェッブの収益を最適化する3つの大切な助言を紹介致します。」と言うオリビアさんの導入の挨拶で始まります。
助言1:最適な広告サイズを選んで下さい
300×250と336×280が、モバイルで最もパフォーマンスの高い広告サイズです。ユーザーのデモグラフィックやサイトによって最適なサイズは異なるのでどちらがより適しているか試してみて下さい。
助言2:レスポンシブ広告ユニットを低パフォーマンス広告ユニット(320×100, 320×50)の代わりにお試しください
もしも現在、320×100 または、320×50の広告ユニットをお使いの場合は、代わりにレスポンシブ広告ユニットをご利用されることをお勧めします。レスポンシブ広告ユニットは、自動的にユーザーのブラウザの幅を察知し、それに応じた広告幅で表示します。
モバイルで画面幅いっぱいに表示されるレスポンシブ広告
我々はモバイル向けにフル幅のレスポンシブ広告を発表します。
モバイル端末で縦にページを表示した時、自動的に画面幅いっぱいに表示される広告ユニットです。この新しいレスポンシブ広告は、収益を増加させることに寄与することを意図したものです。
助言3:広告プレースメントを最適化して下さい
コンテントの間やサイト内で最もエンゲージメントがある場所の近くに広告を設置して、ユーザーから広告が見られるように最適化した設置を行って下さい。この例では、パブリッシャーは、サイトのユーザーがコンテントとサブヘッドラインを流し読みしていく傾向があることを把握して広告を設置したものです。
しかし、広告、クリックできるエリア、コンテントの間に十分な空間ができるようにして、アクシデンタルクリックを防止する様にして下さい。
AdSense アカウントのパフォーマンスレポートで、アクティブ ビューの視認可能率をチェックして下さい。
まとめと考察
モバイルでの収益向上への最適化として、以下の3項目を推奨しています。
- 300×250 または 326×280を使用する。
- 320×50 または 320×100 の代わりにレスポンシブを設置する。
- アクティブ ビュー視認可能率を最適にする。
モバイルフル画面幅のレスポンシブ広告を推進するGoogle
モバイルでフル画面幅で表示されるレスポンシブの変更が1つの大きな発表、機能追加だと思います。
AdSense ヘルプページにレスポンシブ広告の紹介表示
2017年8月末現在、AdSense ヘルプページには、レスポンシブ広告についての紹介が画面上部に表示されます。モバイル画面フル幅対応になった後から、紹介メッセージが表示されるようになっています。
表示されるレスポンシブ広告の説明(上の画像の赤枠で囲った部分)を以下に引用します。
レスポンシブ広告は、ユーザーが使用している端末の種類や画面サイズに応じて寸法が調整されます。レスポンシブ広告戦略による収益増大について詳しくはこちらをクリック
Googleがモバイルでのフル幅表示に対応したレスポンシブ広告を推進していることを示しています。
モバイル フル画面幅のレスポンシブ バナー広告表示例
以下は、レスポンシブ広告を記事タイトルの上に設置して、iPhone 6のシミュレーション画面表示したものです。この例で表示されているサイズは、375×100になっています。
これまでのモバイルバナーのサイズ、320×100や 320×50よりも画面いっぱいに表示される方が、見た感じの印象も良いように思います。
記事下はレスポンシブではなく300×250 または 326×280 が良い?
画面幅いっぱいに表示される広告は、見た目のアピールは確実に効果があると思います。一方で、幅いっぱいに表示される広告は誤クリックされやすいと思います。そのためなのか、助言1ではレスポンシブではなく300×250 または 326×280を推奨しています。
助言2でページのトップに設置されることが一般的な320×100と320×50 (後者はアンカーにも使用されます)の代わりにレスポンシブを設置するのは妥当だと思います。ページ上部の広告は、誤クリックはされづらいです。
記事中に表示されることを前提にしているネイティブ記事内広告もレスポンシブです。こちらは幅に完全にいっぱいにはなりませんが、かなりいっぱいになります。(ほぼ同じです。)
これまでとは異なる最適化提案の舞台裏推測
これまでは、モバイルの上部には320×100のモバイルバナーを設置することをGoogleは推奨していました。モバイル画面フル幅対応のレスポンシブは、320×100の発展形(後継)としての位置付けも含まれていると思われます。
レスポンシブはモバイルページの記事中や記事下にも使用されています。幅いっぱいになると誤クリックの発生はある程度、増えることは避けられません。
モバイル画面で右下にトップに戻るボタン・アイコンを表示している場合、広告の上にボタンが被さると誤クリックする可能性が高くなります。また、その様な設置はポリシー違反となる可能性があります。 モバイルでの広告コードの設置についての注意点についてもよろしければご参照下さい。
モバイルウェッブは急激に増加しています。使い方も広がり、市場環境も大きく変化しています。ウェッブ広告も以前の常識と現在の常識は変化してきているように思います。以前は、コンテンツとの見分けが紛らわしい広告設置は禁じられていましたが、ネイティブの インフィード広告などは、「広告」の表示はあるものの、コンテンツとの見分けはそれほど明確ではありません。
最近は、目立つ広告よりもページ内に調和して見えるようなネイティブ広告の方が、ユーザーエクスペリエンスを損ねず、フローも自然となるので好まれる傾向が強まっています。実際にネイティブ広告は急増しています。
ネイティブの記事内広告、関連コンテンツ、そして今回発表されたモバイル画面フル幅のレスポンシブなど、モバイルページでは記事上だけでなく、記事中、記事下の広告も画面の幅いっぱいに表示される形式がトレンドとなりつつあるように思います。
今回のビデオを見て、これまでとはかなり違うので最初驚きましたが、モバイルウェッブの環境は日々、大きく変化しています。これまでとは異なるアプローチも、さらにこれから登場してくる可能性もあります。
今回のAdSense 最適化の推奨の変化は、モバイルウェッブ広告のトレンドの変化を示しているとも言えると思います。
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