
更新情報: 2019年5月30日夜に「Google AdSense の広告ユニットに対する重要な変更について」と言う表題のメールがAdSenseアカウントユーザー宛に一斉に送られました。メールの内容は、「Google AdSenseの広告ユニットに関する今後の改善点」のバナーに続いて、変更項目別に説明が行われています。
- 広告サイズ
- 広告タイプ
- テキスト広告スタイル
- 表示可能な広告がない場合の対応の簡略化
- テスト
- 同期コード
内容については、この記事内で説明しております。
Google AdSenseは、「広告ユニットの今後の改善点(6月に広告ユニットに関する最新情報に名称変更)」というタイトルのページをAdSenseヘルプに投稿しました。このページに記載されている内容は、AdSense 広告ユニットの仕様変更などについてです。
仕様変更は将来を見据えたAdSenseの取り組みの一貫
2018年、AdSenseは15周年を迎えました。同年10月1日にAdSense 公式ブログは、これからの15年に向けた長期的な指針と取り組みを発表しました。今回公開された広告ユニットの仕様変更は、AdSenseの将来に向けた取り組みの一環です。変更は、長い期間サポートしてきた広告ユニットフォーマットの一部やオプション機能などを廃止することが含まれています。
公開された広告ユニットの仕様変更点
今回公開された仕様変更は、2019年4月から一部のアカウントで導入開始されました。今後、数ヶ月をかけて全てのアカウントで新仕様への移行が行われます。以下、今回発表された主な仕様変更を紹介します。
テキスト広告の廃止
以下はこれまでの広告ユニットの作成ページの表示です。
これまでのAdSenseアカウントでは、管理メニューの「広告」をクリックしサブメニュー広告の広告ユニットを選択した時に表示される広告ユニットでは、以下の4種類の広告種類から選択を行う形式でした
- テキスト広告とディスプレイ広告
- インフィード広告
- 記事内広告
- 関連コンテンツ(使用が許可された場合のみ表示)
今回の仕様変更では、テキスト広告が廃止となったことが一つの大きな変更点です。上記の中の「テキスト広告とディスプレイ広告」は、仕様変更後は「ディスプレイ広告」のみとなります。
新しいUIでの広告ユニットの作成ページ
以下は新しい広告ユニット作成手順となった場合のページの表示です。「ディスプレイ広告」と表示されています。
関連コンテンツとリンク広告(リンクユニット)は、アカウントによっては表示されません。
広告サイズ
2019年4月現在、仕様変更前のアカウントでは、「テキスト広告とディスプレイ広告」を選んだ後、広告ユニットの設定項目が表示されます。広告サイズのデフォルトは、レスポンシブになっています。表示中の「推奨」をクリックすると、以下の画像のようなドロップダウンリストが表示され、広告サイズを選ぶことができます。
仕様変更後
これまでは、推奨のレスポンシブに加え、横長バナー、縦長バナー、長方形、カスタムサイズ、リンク広告が選択肢としてリスト表示されていましたが、仕様変更後は「レスポンシブ」か「固定」の二択となります。
更新情報: 仕様変更後の新しいUIでも、アカウントによっては、リンクユニットが選択肢として表示されるようになりました。新しいUIでは広告サイズのところではなく、最初の広告フォーマットで選択するようになりました。リンク広告はテキスト広告と同様にテキスト中心のため、将来的にはディスプレイ広告ユニットの派生版として表示される方向性にあると思われます。実際に、通常のディスプレイ広告ユニットでリンク広告が表示される頻度は高くなっています。
広告タイプ
これまでの仕様では、広告タイプは「テキスト広告とディスプレイ広告」、「ディスプレイ広告のみ」、「テキスト広告のみ」の中から選ぶことができました。
仕様変更後は、テキスト専用(のみ)、ディスプレイ専用(のみ)の広告は廃止となり、「ディスプレイ広告」に統一されます。既存の広告ユニットでテキスト専用、ディスプレイ専用のものも「ディスプレイ広告」に変更になり全ての広告タイプに対応するように更新される予定です。
全ての広告タイプとは?
これまでの広告タイプは、テキスト広告とディスプレイ広告という分類でした。広告タイプの仕様変更で、ヘルプページには、「ディスプレイ広告は、全ての広告タイプに対応するように更新される予定です。」と記載されています。
ヘルプページには予定との言葉が含まれていることから、「全ての広告タイプ」とは、これまでのテキスト広告とディスプレイ広告だけではなく、将来、新しい広告タイプも「ディスプレイ広告」でサポートされることを示唆していると推測しています。
テキスト広告のスタイル
AdSenseのテキスト広告では、広告スタイルの作成で色の組み合わせを選んだり、フォントファミリーを指定することができました。テキスト広告が廃止になることにより、テキスト広告のスタイルの設定機能もサポート終了となります。既存の広告ユニットで広告スタイルを設定している場合は、2019年4月以降数ヶ月の間に、Googleによってスタイルの最適化が行われます。
「表示可能な広告がない場合」の対応の簡略化
これまで、広告ユニットに配信できるGoogle広告がない場合、「広告ユニットを折りたたむ、展開後は空白スペースを表示する」のデフォルトに加えて、「展開後は色を表示する」と「他のURLを表示する」オプションが選択可能でした。仕様変更後は、これらのオプションは廃止され、デフォルトの広告可能な表示がない場合は、広告スペースが折り畳まれるか、空白のスペースが表示される対応に統一されます。
広告ユニット設定のテストの廃止
これまで、管理メニューの「最適化」のサブメニューにある「テスト」ページでは、広告ユニットのスタイル(特にフォントの設定など)の設定テストが可能でした。広告ユニットのスタイルのサポートが終了となるため、この機能も終了となります。
同期コードの廃止
これまでは、広告コードの取得時に「コードタイプ」のデフォルトの「非同期」をクリックするとドロップダウンリストで「同期」を選び、同期の広告コードを生成することができました。
今後はデフォルトの非同期のコードのみサポートされ、AdSense コード取得時に、コードタイプを同期に変更するオプションは利用できなくなります。
広告配信のロードを非同期にすることで、ページの読み込み時間を短縮することができるため、現在のAdSenseでは大多数が非同期です。
同期コードが必要な場合
Google アド マネージャー(DFPとAd Exchange)では、非同期の広告コードに対応していない広告サーバーを使用しているため、Google Ad Manager経由でAdSenseを表示する場合には、同期広告コードを使用する必要があります。同期コードを作成する方法については、AdSense ヘルプの 広告ユニットで同期広告コードを生成するには をご覧下さい。
AdSense同期広告コードは、固定サイズの広告ユニットのみ生成できます。Google AdSenseでは、非同期と同期の広告コードを同じページで利用することは非推奨です。
仕様変更後の次のAdSenseの展開は?
今回、公開された仕様変更は、これまで長年サポートしてきた機能で、これから力を入れていく広告フォーマットではないテキストのみの広告やそれに付随した機能などの廃止やオプション機能の終了などが中心です。
2019年4月現在は、マニュアルの広告設置はまだ多いですが、自動広告の普及も進んできています。今後、AdSenseでは、自動広告の利用が更に増えていくことが予想されます。将来AdSenseは、自動広告をメインにした展開にシフトしていく傾向が強まってくると予想しています。
マニュアルの広告ユニットの作成では、テキスト広告が廃止になり、固定サイズの広告の設定も簡略化されるなど機能が限定されてきています。同期コードは、AdSenseでは既に利用が少ないと思われますが、こちらも廃止となりました。
現状、AMPの広告ユニットをマニュアルで設置する場合には、ユーザーがコードをAMP用に変更して作成する必要がありましたが、将来、AMP用のコードをAdSenseのアカウントで作成する機能もサポートされると予想しています。
ディスプレイ広告では、AMP対応のコードを作成する機能が追加されました。
また、新しい広告フォーマットなどもこれから発表されたり、テスト中のカルーセルタイプなども正式導入される可能性があります。
今回の広告ユニットの仕様変更はかなり大幅なものですが、既存の機能の一部を廃止したり、統合してシンプルにした後、新機能なども追加されてくるのではと予想しています。
コメントを残す(承認後表示されます)