
2019年5月22日頃から、AdSenseのアカウントに「要注意 – ads.txt ファイルが含まれていないサイトがあります。収益に重大な影響が出ないよう、この問題を今すぐ修正してください。」と表示される事例が発生しています。
ads.txtとは?
ads.txt については、以下の記事をご参照下さい。
ads.txtとは? ads.txtの仕組み設置方法について
AdSenseにおけるads.txt の警告の種類
これまでにAdSenseアカウントで、ads.txtに関連した警告文の内容は、現時点で以下のようなものがあります。
- ブログサービス側のトップドメインにads.txt が設置されたため、サービスを利用してブログでAdSenseによる収益化を行っているユーザーにads.txtに運営者IDが含まれていないと警告。
- 「次の ads.txt ファイルに、ご自身のサイト運営者IDを追加する必要があります。」に続いて、ads.txtのURLが記載。
- 「要注意 – ads.txt ファイルが含まれていないサイトがあります。収益に重大な影響が出ないよう、この問題を今すぐ修正してください。」
ads.txt に関するトラブルシューティング – AdSense ヘルプ
1番目の警告の原因・理由:ブログサービス側がads.txtを設置した
1は、2017年10月から11月にかけて、Seesaa, FC2, A8net, So-net, yaplogのユーザーに警告が届きました。この時の警告の理由は、これらブログサービス側がトップドメインにads.txtを設置したため、そのサービスを利用してサイトを運営して、AdSenseで収益化を行っているユーザーに警告が届きました。この時は、ブログサービス側がads.txtを削除する対処をとって、問題は収束しました。
2番目の警告の原因・理由:ユーザーにads.txt設定機能を追加した上でブログサービス側がads.txtを(再)設置
2018年代4四半期(告知は11月、実施は12月)に、So-netが利用ユーザー向けにads.txtへの設定機能を提供した上で、トップドメインにads.txtを設置しました。(ads.txtの設置 – So-net ブログ)
2は、So-netがads.txtを設置後、AdSenseで収益化を行っているSo-netユーザーがads.txtの設定を行っていない場合に警告が届きました。この場合は、ユーザー側でSo-netのads.txtの設定を行うことで、警告はなくなります。
Seesaaブログもads.txtの設定機能を追加し、2019年10月28日からads.txtの設置を開始しました。
3番目の警告の理由:AdSenseで収益化しているサイトにads.txtが設置されていないことに対する注意喚起
2019年5月末から6月初めにかけて多く発生しているAdSenseアカウントに表示されている警告は、サイトにads.txtが設定されていないため注意・喚起を促すものです。
「要注意 – ads.txt ファイルが含まれていないサイトがあります。」の対処法
AdSenseで収益化を行っているサイトのルートドメインにads.txtの設置を行っていない場合に、上記警告メッセージが表示されます。2019年5月末の時点では、私のサポートしている顧客のアカウントなどを含めて一通り確認したところ、一部のサイトにads.txtを設置していなくても警告が表示されないアカウントもありましたが、6月3日から警告が表示される事例が多発しています。
警告メッセージの対処は基本的に以下の3つがあります。
- サイトにads.txtを設置する。
- ads.txtの設置が適切に行われているか確認して、設置されていない場合は、適切に設置する。
- 何もしない。(ads.txtを設置しない。)
ブログサービスを利用しているサイトの場合
はてな、Seesaa、ライブドアなどのブログサービスでは、現状、ads.txtの設置はサポートされていません。(独自ドメインの場合は、特殊な方法を使用すれば、設置できる場合もあります。初心者にはお勧めいたしません。)ブログサービスが、ユーザー側でルートドメインにads.txtの設置を行う機能を提供していない限り、ads.txtの設置は基本的にできません。
ads.txt の設置は必須ではありません。ブログサービスを利用するサイトでは、基本的に「なにもしない。」が対処法となります。(So-netなど、ルートドメインにads.txtを設置しているブログサービスでは対処が必要です。)
ads.txtに関するAdSense ヘルプページの良くある質問には以下の様に記載されています。
ルートドメインにファイルを追加できません。どうすればよいですか?
ads.txt を使用する必要はありません。ただし、ルートドメインに既に ads.txt ファイルが存在する場合は、ウェブマスターに連絡して、自分のサイト運営者 ID をファイルに追記してもらいましょう。
Bloggerブログでのads.txtの対処法
Bloggerには、ads.txtの設定機能が備えられています。Bloggerで独自ドメインを利用している場合には、ads.txtをオプションで設置することもできます。ads.txtの設置は、必須ではなく推奨です。
Bloggerにads.txtを設定する方法 – Blogger101
レンタルサーバーを利用している場合の ads.txtの設置方法
基本的な作業内容
ads.txtの作成は、基本的に難しいものではありません。簡単、難しいと言うのは人によって異なりますが、テキストファイルをエディターを使用して作成し、FTPを使って、作成したファイルをサイトのルートにアップロードします。
必要なツール
ads.txt を作成する上で必要なツールは、テキストエディターとFTPです。テキストエディターは、Notepad++などのプレーンなテキストエディター。Macの場合は、TextEditがお勧めです。
FTPは、サイト運営する上で必須に近いツールです。しかし、最近はサイト運営も簡単に行うことができる環境になってきているので、FTPを使われたことがない方もいらっしゃるかもしれません。FTPの使い方は覚えておいて損はないです。FTPの代わりにレンタルサーバー会社が提供するファイルマネージメントツールを利用する方法もあります。
AdSense用のads.txtの作成
パソコンでテキストエディターを起動して、新規ファイルを作成します。
ファイル内には、以下の1行を含めます。
pub-に続く16桁の数字の部分は、AdSenseの運営者IDです。AdSense ヘルプページの運営者IDの確認方法をご参照下さい。
サイトに広告を掲載しているのが、AdSenseのみであれば、上記の1行のみとなります。(Amazonなどのアフィリエイト広告は、現時点でads.txtは必要ありません。利用されている広告ネットワークに問い合わせて、ご確認されることをお勧め致します。
ファイル名を”ads.txt”にして、保存します。
ads.txtをサイトのルートにアップロードする
作成したads.txtをFTPを使用して、サイトのルートドメイン(例:https://example.com/ads.txt)にアップロードします。ルートのディレクトリー構成は、レンタルサーバーによって異なります。サイトのルートのパスが不明な場合は、レンタルサーバーのヘルプページなどのドキュメントを調べたり、分からない場合はお問い合わせすることをお勧め致します。
mixhostの場合は、”/public_html/example.com”がルートです。
ads.txtの設定確認
ブラウザーを立ち上げて、アドレスバーに”example.com/ads.txt”と入力して、ページを表示させます。入力するドメインは、ルート(トップ)です。www.example.comでサイトが表示されるように設定されていても、ブラウザーで確認する場合には、アドレスバーに、”www.example.com/ads.txt”ではなく、”example.com/ads.txt”を入力して下さい。表示されたページ(ページは、www無しからwww付きにリダイレクトされて”www.example.com/ads.txt”でも構いません)に、ads.txtに入力した内容(AdSenseのみの場合は1行)が表示されていれば、大丈夫です。(以下の画像をご参照下さい。)
ads.txt設置後、警告バナーが非表示になるまでの時間の目安
AdSense クローラーは、一日に一回ファイルをクロールしようと試みるとヘルプに記載されています。ただし、トラフィックが多くなく広告リクエストが多く発行されないサイトの場合は、ads.txtの設定と設置が適切に行われていても、AdSenseのシステム側での確認や反映に時間がかかることもあります。
AdSenseのコミュニティーにGoogleの社員さんが投稿したads.txtについての説明では、ads.txtが設定された場合のAdSenseへの反映の基本的な目安としては、最長7日となっています。状況によっては、7日以上かかる場合もあります。私の管理サポートしているサイトで9日以上かかったアカウントもありました。
2019年7月24日時点の日本語のヘルプにはまだ記載されていませんが、英語のヘルプには以下の様な記載があります。
変更を行ったことがAdSenseに反映されるまでには数日かかる場合もあります。もしも、あなたのサイトが多くの広告リクエストを発行していない(ユーザーの訪問が少ない)場合は、最大1ヶ月程度かかることもあります。
ads.txtを設置しているのに警告メッセージが表示され続けている場合
ads.txtをサイトに既に設置している場合に警告メッセージが表示されたり、ファイルを設置したのに警告が表示され続ける場合には、収益化を行っている主要サイトを一つ一つ順番に、example.com/ads.txt の形式でブラウザーでアクセスして、設定の確認を行うことをお勧め致します。
ads.txtを設置しても「要注意」のバナー表示が消えない原因と対処法
初めまして。コメント失礼いたします。
アドセンスにads.txtの表示が昨日ありました。まったくわかりませんで、調べていましたら貴方のブログへたどり着きました。
独自ドメイン、ライブドアブログでございます。なにも処置を行わなくてもいいようなこともお書きになられています。それでいいでしょうか?
お忙しい中ではございますが、よろしくお願い致します。
はじめまして。
ブログサービスの場合は、ブログサービス側がads.txtの設置・設定機能を提供しない限り、ユーザー側でads.txtの設定を行うことはできません。
ライブドアの場合は、ライブドア自身もads.txtを使用していないので、ads.txtの設定機能は提供していないと存じます。その場合は、何もする必要はありません。ads.txtの設定ができないので、することはできません。独自ドメインの場合で、サブドメインにライブドアブログを設置していて、トップドメインにWordPressやその他のCMSをご利用の場合は、トップドメインにads.txtを設置する対応が選択肢としてあります。
気になる場合は、ライブドアのサポートに連絡して、ads.txtの設定をサポートしているか?ユーザー側で設定できるかお問い合わせされることをお勧め致します。
はじめまして。
昨日アドセンスの審査を通過した者です。
まだアドセンスの広告を何も貼っていないのですが、この設定はしたほうがいいのでしょうか?
またこの記事の手順通りにファイルをアップしたのですが、最後の設置確認がうまくできません。記事の通りに入力すると自分のブログが表示されて記事は見つかりませんでしたと出てしまいます。
テキストエディタをWindowsのメモ帳を使ってファイルを作ったせいでしょうか。
お忙しい中だと思いますが、教えていただけると有難いです。よろしくお願い致します。
はじめまして。
ads.txtの設定はオプションです。必須ではありません。推奨はされていますが、ads.txtの目的は、サイトになりすまして収益を得ようとする試みを防止するものです。大手メディアなどでは実際に被害もあるので、ads.txtを設置することはトラフィックや収益が多いサイトであれば、必要性も高まります。始めたばかりの個人のサイトは、基本的にはなりすまされて収益を盗み取られるようなこともないので、設置していないことによるリスクは、ほとんどありません。家の戸締まりや防犯と似たようなところがあります。セキュリティを強化する方がより安全ですが、一般家庭で高度なセキュリティシステムを導入することはしておいた方が良いかもしれませんが、実質的にはそれほど必要なものでもないのと似ています。
「最後の設置確認」ができないとのことですが、ブラウザーのアドレス欄に、example.com/ads.txt を入力してアクセスすると、自分のブログが表示されて記事は見つかりませんでしたと表示されるのであれば、ファイルが適切にアップロードされていない可能性があります。(ファイルが見つからないということは、その場所にファイルがないということを示しています。)
ファイルがアップロードされているかをご確認されることをお勧め致します。良く分からなくて、調べても時間が多くかかってしまう場合には、設置しないのも有力な選択肢です。設置しないと何か悪いことが起こるという可能性は、上で書いたように非常に可能性は低いです。しかし、警告メッセージなどが表示されるのが、とても気になってしまって、精神的にも嫌で嫌でしょうがないという場合には、(収益とは関係なく)精神衛生面の理由で対処した方が良いです。警告は防犯ポスターやチラシのようなものと受け取って、気にしないのも有効なアプローチです。対処は、状況やお考えにもよります。