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Google DFPとAd Exchangeの特徴、AdSenseとの違いと活用法

Google DFPとAd Exchangeの特徴、AdSenseとの違いと活用法

Googleは、デジタル広告向けに様々なプロダクトやツールを提供しています。サイトの収益化の主要なプロダクトとしては、AdSense, DoubleClick for Publisher (DFP), Ad Exchange (AdX)があります。AdSenseは、一般のサイト運営者にも馴染み深いプロダクトです。

トラフィックが非常に多いサイトの場合は、DFPやAd Exchangeなどを利用することで、直接販売広告の効率的な活用が可能となり、収益化の向上に繋がる場合もあります。

2018年6月27日、Googleは、AdXとDFPのブランド名称をGoogle Ad Managerとして統一し、Sell-Side プラットフォーム、コンプリート アド プラットフォームとして、Google アドマネージャーを発表(英語記事)しました。

名称は変更となりましたが、Ad ExchangeとDFPの基本機能には変更はありません。また、実際のところ、Google社内とユーザーの間でもAd ExchangeやDFPの名称は馴染み深いものであり、ブランド名変更から1年以上経過しても、Ad ExchangeやDFPと呼ぶことが多いです。Google アドマネージャーのヘルプページ内にも随所にAd Exchangeの名前が登場します。

ブロギングライフは、サイト運営、収益最適化のコンサルティングサポートを行なっています。これまでにお問い合わせ頂きサポートしているお客様は、月のページビューが数百万を超える大規模のサイトを運営している企業の経営者の方が中心です。1000万PVを超えるメディアサイトも複数サポートしております。

収益性が向上すると比例して収益額も増えるため、サイトの訪問数、ページビュー数が多ければ多いほど、広告の収益性は重要となってきます。収益性を向上させるためにAd Exchangeをご利用されたり、ご検討されるメディアも少なくないと認識しています。その一方で、Ad Exchangeを利用したところ、期待したような収益向上に繋がらないために、ブロギングライフにお問い合わせを頂く事例もございます。

本記事では、Googleが提供する収益化プロダクトの特徴と持ち味、留意すべき点について以下に説明致します。

AdSenseとは

AdSenseは、Google 広告で受注した広告主の広告を Google ディスプレイ ネットワークを経由して広告枠のオークションを行い、落札されるとサイトに設置された広告枠に広告が配信されるシステムです。広告収益は大きく分けて、広告を見たサイト訪問者がクリックすることによって収益が発生するCPC広告と広告表示数に対して収益が発生するCPM広告の入札タイプがあります。

AdSense CPC広告は、クリック課金型広告では競合他社を全く寄せ付けない収益パフォーマンスを誇ります。CPM広告についてもAdSenseは強いです。収益性に加え、AdSenseは他社のデジタル広告と比べ、広告主に提供する情報量も格段に多いです。広告掲載の効果測定に必要な情報を提供する様々なパフォーマンス指標を確認することができます。さらに、広告の効果を測定するためのレポートツールなども提供しています。それらパフォーマンスレポートで提供される指標の種類や機能も同業他社と比べ群を抜いています。ツールなどの充実度で、Googleと競合できるレベルにあるのは、Facebookしかないと言って過言ではありません。

世界的に見た場合は、デジタル広告配信市場は、GoogleとFacebookでほぼ独占しています。以下は2017年の米国デジタル広告市場についてのブログ記事です。実際には、GoogleとFacebookは予想よりも大幅に収益を伸ばしています。

アメリカのデジタル広告市場16%の成長:FacebookとGoogleが成長を牽引

AdSenseは、サイトや広告掲載のコンテンツなどに対して、利用条件をポリシーで厳しく定めています。基本的にユーザーに有益な情報をもたらす価値あるコンテンツにのみAdSense広告を掲載するというのが原則です。さらに、不正操作などの取締りを徹底して行っているのもGoogle AdSenseの特徴です。

他の広告ネットワークは不正操作(例えばCPC広告に対して、運営者が自分や仲間でクリックして意図的に収益を増やすなどの行い。実際の不正はもっと複雑で、込み入った手口が多いです。)にはほとんど対応できていない(対応していない)のが現状です。

サイト運営者は、AdSenseのポリシーに準拠するように心がけること、Googleは不正操作の取り締まりを強化することなどによって、広告主は安心してGoogleに広告を依頼することができます。

デジタル広告市場全体を見た場合、高価格帯の広告にはGoogleとFacebookが中心となって取扱うような、広告とサイトのコンテンツの品質によって、価格帯と広告ネットワークに住み分けがあるような市場構図になっていると認識しています。

DFP(DoubleClick for Publisher) の特徴

DFPは、広告枠を管理する広告サーバー機能です。AdSenseはサイト内に設置された広告枠にAdWordsの広告が配信されます。一方、DFPでは、広告コードを設置し、その広告枠に配信する広告を制御管理できる機能を持っているのが特徴です。DFPで配信管理が可能な広告は、サイト運営者(社)が顧客から直接受注した広告(以降、直接販売広告と呼びます)、自社広告、サードパーティー広告、AdSenseになります。

DFPは、直接販売広告を広告枠に配信する制御を細かく行うことができるのが大きな特徴です。例えば、広告を掲載する対象を特定の地域、性別、年齢層などを指定して、顧客広告を配信、表示することができます。

具体的な例を説明致します。日本全国からアクセスのあるサイトが、関西地域で事業を営むA社から広告を受注した場合に、関西地域(県別に設定可能)から訪問するユーザーに対してのみ広告を配信することができます。また、企業から特定のユーザー層を対象とする広告を受注した場合に、広告を表示するユーザーの年齢層(例:大人の年齢層のみを対象にする。)、性別などを限定して広告を配信することができます。広告を配信する時間帯などを指定することもできます。

上記の様な広告配信管理機能は、サイトが顧客広告を受注する上で、極めて重要な機能です。さらに、広告依頼企業に対して、直接販売広告の指標(ページビュー数、広告表示数、クリック数、他)の情報を提供することもできます。

直接販売広告の配信が行われない空いている広告枠には、AdSenseによって広告が表示されます。サイト運営者から見た場合は、受注した顧客広告を掲載しながら、顧客広告以外ではAdSenseの広告を表示することで、広告枠の有効活用ができます。

DFPを利用した広告表示制御例

上で紹介したように、DFPを利用すると、様々な広告表示の制御を行うことができます。1つの簡単な例としては、複数の広告を交互に表示するようなこともできます。各広告毎に表示の条件などを設定し、条件を満たした時に広告を表示することも可能です。例えば、地域や年齢層、性別などの条件を設定して、条件を満たしたユーザーにはその広告を表示する様な設定を行うことができます。条件に合う広告がない場合は、代わりにAdSenseの広告が表示されます。

例えば、日本国内では楽天のモーションウィジェット広告を表示して、国外からのアクセスではAdSenseを表示するような設定もできます。ブロギングライフのパソコン画面記事下の左のレクタングル広告は、DFPで楽天とAmazonの広告を交互に表示する設定を行なっています。

Ad Exchangeの特徴

DFPでは広告枠で管理制御する広告は、顧客広告、自社広告、AdSenseとなるのに対して、Ad Exchangeでは、他社の広告ネットワークの広告も取扱うことができるのが特徴です。他社の広告ネットワークも含めることで、オークションでの競争率が高まることで、より高いCPCやCPMとなって、収益向上に繋がる可能性があります。

実際のところ、上記AdSenseの項目で取り挙げたようにGoogle 広告(AdWords)/AdSenseに出稿する広告は高めとなること、質の高い広告はGoogleが取り扱っているので、それほど大きな収益アップにはなりません。しかし、Ad Exchangeを利用するサイトは大手メディアが中心のため、大手メディアに広告を掲載することを希望する企業からの広告依頼などによる、収益アップ効果はあります。

以下にDoubleClick Ad Exchange Sellerヘルプから「Ad ExchangeとAdSenseの違い」ページの冒頭部を抜粋、引用します。重要と思われる部分を太字でハイライトしています。

Ad Exchange と AdSense は広告枠の販売に役立つ便利なツールです。どちらも大勢の購入者にリーチすることができますが、Ad Exchange は直接販売に支障が出ないよう細かい調整が必要なサイト運営者様向けに設計されています。広告運用において直接販売の占める割合が高くない場合や、チャネルの競合が大きな問題でない場合は、AdSense の方がより良いソリューションとなることもあります。

「直接販売やチャネルの競合があまりない場合は、AdSenseの方が良いソリューションとなることもあります。」と書かれているところが重要なポイントです。

直接販売は、DFPの特徴で紹介したサイト運営者(社)が顧客から直接受注した広告のことです。チャネルの競合というのは、広告枠などに対して広告ネットワークから注文による競合のことと認識しています。

備考:
DFPは、AdSenseで言うところのカスタムチャネル、URLチャネルを広告枠と同様に、複数の受注した広告やサードパーティー広告などを条件を設定して、広告配信の制御管理を行うことができます。AdSenseの場合は、広告の配信チャネルはAdWordsのみとなります。

直接販売した広告配信の制御管理機能は、元々はDFPのものでAd Exchangeでもサポートされている機能です。Ad ExchangeはDFPのファミリーです。

補足説明と考察

上記のようにGoogleの収益化の各プロダクトは、それぞれ持ち味が異なります。Googleの収益化のプロダクトは、大きく分けるとAdSenseとDFP(Ad Exchange)に分かれます。AdSenseは多くのサイトに普及しています。DFPやAd Exchangeは、大規模なサイトでの利用が中心です。

DFPの特徴は、直接広告を販売して収益を得ることができるサイトに大きな付加価値を提供する機能を備えていることです。しかし、DFPやAd Exchangeは設置方法、運用管理が複雑です。AdSenseの様に手軽に利用できるようなものではありません。

DFPとAd Exchangeのコードの設定や制御は、ある程度以上の知識と利用経験がないと使う(特徴、利点を使いこなす)ことが難しいです。

ブロギングライフでは、DFPの活用や広告収益の最適化のサポート、コンサルティング業務を承っております。ご興味のあるサイト運営者の方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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