
2017年、AdSense 関連では、新管理画面UIや広告掲載率など新機能の追加、ポリシー変更、ネイティブ広告のローンチ、関連コンテンツの利用拡大など、色々な動きや変化がありました。Google AdSenseのサポートやプロダクトのラインナップ、取り組みなどから、Googleは中小規模のサイト運営者に対するAdSenseのサポートを強化する傾向を強めています。そのことを示す事柄と理由についての考察を紹介します。
AdSenseのサポート、情報提供の傾向に変化?
Google AdSenseでは、訪問者やページビュー数が非常に多い大規模なサイトや著名なメディアサイトには、Googleのアカウントマネージャーが担当としてついて個別にサポートを行います。大きなサイトになればなるほど、密接なサポートが受けられるようになると認識しています。これまでアクセスが非常に多い(目安として、月数百万PV程度以上)サイトとそれ以外のサイトでは、サポートのレベルにかなり差がある印象を持っていました。
しかし、昨年からGoogle AdSense チーム(ビジネスユニット)は、中小規模のサイトのサポートに力を入れるようになってきている傾向が見られます。
関連コンテンツ普及促進と機能拡張
関連コンテンツの利用基準の詳細は公開されていませんが実際に利用していたサイトなどの情報から、2016年以前、関連コンテンツの利用基準は基本的に月最低10万PV、記事数1000以上、加えてコンテンツの質など他の条件を満たしているサイトのみ利用可能となっていたと認識しています。(例外はあります。)2017年の初め頃、または2016年の終わりごろから、関連コンテンツの利用基準が大幅に緩和され、利用するサイトが増えました。
関連コンテンツの基準を緩和し普及を促進することに加えて、モバイル画面で一番上のお勧めコンテンツの画像を大きな表示にする新フォーマットの導入、リンクユニットとのコンボ表示など関連コンテンツのバリエーションが増えています。さらに関連コンテンツの表示カスタマイズ機能も公開されています。
関連コンテンツは、月数100万以上の大手メディアサイトではあまり利用されることが少なく、個人運営の人気ブログや中小規模のサイトなど月100万PV程度位のアクセス以下のサイトで利用が中心であるとの印象を持っています。言い換えると、関連コンテンツは、AdSense アカウントマネージャーが付くところまでいかないサイトでの利用が中心です。関連コンテンツユニットは中小規模サイト向けのAdSense広告ユニットと位置付けられているとも言えます。
関連コンテンツの普及促進や機能拡張は、中小規模のサイトに対するAdSenseプロダクトのサポートを強化していることの表れとも解釈できます。
ネイティブ広告バリエーションの追加
デジタル広告で主流になると予想されている広告タイプです。大手メディアでは以前から利用が始まっていました。2017年夏にGoogleは、インフィード広告と記事内広告の2種類のネイティブ広告プロダクトを発表、提供を開始しました。現在、全てのAdSense ユーザーが利用可能となっています。
2018年1月23日にGoogleは、マシーンラーニングを使用したAdSense ネイティブ インフィード広告のフォーマット自動作成機能を追加したことを発表 しました。当該機能はシステムがサイトのフィード表示形式に合わせた、最適なインフィード広告のフォーマットを自動で作成するものです。
AdSenseのネイティブ広告は、通常のユーザーも手軽に利用できるような工夫が凝らされています。全てのユーザー向けにネイティブ広告を提供していることも、中小規模のサイト向けのサポートを強化していることを示しています。
積極的なAdSense 情報の開示、セミナーなど開催
2017年からAdSense 関連のオンラインセミナーを積極的に行なっています。また、ヘルプページでの情報提供の量も増えており、更新頻度も高くなっています。
以下は、2017年10月にAdSense 公式アカウントが投稿したYouTubeでのAMPの紹介とAdSenseのサポートについてのセミナーです。
アンケートに回答するとビデオで使用した資料を、セミナーの担当者の方から直接メールで送付してくれました。(回答した人に対して、一つ一つメールでご対応されたのだと思います。)
収益最適化チームによる英語でのAdSense関連のセミナーも積極的に行われています。
ヘルプページやTwitter, Google+、YouTubeなどを介した情報は、全てのAdSense ユーザーが入手することができます。特定のサイト運営者に対してだけでなく、幅広いAdSense を利用するサイト運営者に情報を提供しています。
提供されるAdSense関連の情報量は、2017年から大幅に増えていると感じています。
考察
なぜ、中小規模のサイトのAdSense サポートを強化する傾向を強めているのか?
Google社の実際の判断やその理由は公開はされていません。以下に書くことは、私の推測です。近年、ウェッブ環境は大きく変わっています。ウェッブを閲覧する端末は、モバイルがパソコンを上回りました。ユーザーのウェッブに対するアクセスの仕方、利用方法なども変わってきています。同様にデジタル広告の種類や配信についても変化があります。
デジタル広告では、ビデオの広告が増えています。AdSenseでもビデオ広告は取り扱っていますが、ビデオ広告は、通常のウェッブページでの配信よりも、YouTubeでの配信が適しています。YouTubeとAdSenseは、事業ユニットが異なります。AdSenseではウェッブサイトが広告配信の媒体となります。サイト運営社は、Google AdSense のビジネスパートナーです。
月10万PVから数10万PVのサイトは、それなりの数あると思います。月数万PVのサイトは、非常に多いと思います。それらのサイトのPV数を合わせると大手メディアに相当する数のアクセスがあると思います。月数百万PVを超える大手メディアには、従来通り、担当アカウントマネージャーが密接にサポートすることに加えて、中小規模のサイトでのサポートして、ビジネスを拡大することを目指しているのではないかと考えています。
Googleは、モバイルウェッブではAMPの普及に取り組んでいます。AdSenseのAMPサポートも重要度が増してきます。デジタル広告では、ネイティブ広告への移行が進んでいます。AMPやネイティブ広告など新しい分野に対しての情報提供やサポートも必要性が高いです。
担当者による個別サポートは、対応するためのリソース(社員の数や手段など)が限られていますが、オンラインセミナーやヘルプページ、ブログなどによって情報を発信することは可能です。そのため、2017年から新製品の情報やサポートなどについて、積極的に情報を発信する傾向を強めていると推測します。
AdSenseの動向を把握すること、最新情報の入手、新製品や新機能を試してみて、良さそうなものは取り入れていくことも、今後のサイト運営においての重要性は高まっていると思います。
本サイト、ブロギングライフでは、最新のAdSenseの情報などで重要と思われるもの、サイト運営者にとって役立ちそうな情報を積極的に取り扱っていきます。
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